ラフティングと保険

自然の迫力とスリルを味わいたいけど、もしものことが心配…そんなあなたへ。ラフティングの保険が、あなたの冒険をしっかりとサポートします。この記事を読めば、ラフティングと保険に関する知識が増えて自然を安心して楽しめるようになります。

ラフティングは、アクティブなアウトドアスポーツのため予期しない事故やケガの発生のリスクがありますがそのリスクを低減するために、各主催会社では、通常、傷害保険と賠償責任保険の2つに加入しています。

傷害保険

ケガの発生に備えた保険です。通院や入院から大きな事故のケースでは死亡や後遺障害をカバーしています。


賠償責任保険

施設賠償と呼ばれていることもある保険です。主催会社がラフティングに参加されるお客様に賠償責任を負ったときに支払われる保険で、財物損害、事故に伴う費用の負担等の賠償責任を補償することに備えた保険です。

以下2つの保険について詳しく見ていきます。

傷害保険

「急激・偶然・外来の事故(突発的に、たまたま、身体の外部からの作用によって生じる事故)」によりケガをした場合に対応する保険で、入院・通院したり、死亡したりした場合などに保険金が支払われます。

急激とは、突発的に事故が発生することをいい、原因となった事故からケガのまでの過程が直接的で、時間的な間隔のないことを意味します。

よって、ラフティングしている最中に履いていた靴による靴づれによるケガは保険が支払われないことになります。

偶然とは、予期できないことでケガや事故が発生することです。また、故意により発生したものではないことです。「原因の発生が偶然である」、「結果が偶然である」または「原因・結果とも偶然である」のいずれかであることを必要とします。

よって、ラフティングの最中に、ふざけてわざと急流に落ちてケガが発生した場合は保険ではカバー出来ないことになります。


外来とは、事故の原因が体の外部からの作用によること、体に内在する疾病要因の作用でないことをいいます。

よって、病気で通院した場合は、保険は支払われません。具体的な例をあげると、ラフティング中に岩からの飛び込みを行い、中耳炎になってしまった場合には、保険でカバーされないことになります。



岩からの飛び込みでの中耳炎はまれに発生する保険適応外の出来事

傷害保険に関するデーター 傷害保険の概況 損害保険料算出機構
2023年度版(2024年4月発行 PDF)


賠償責任保険

主催会社の管理の不備、主催会社の従業員の業務中のミス、施設や設備の不備等により発生した偶然な事故に起因して、参加者やその他の第三者 の身体や財物に損害を与え、主催会社が法律上の賠償責任を負った時に保険金が支払われます。

契約時に設定した保険金額(1事故2億円 1人1億円等がラフティング業界ではよく見られる保険金額です)を限度に、損害賠償金や緊急措置費用、訴訟費用などに保険金が活用されます。

具体的には、ラフティング体験中にボートがインストラクターの操作ミスにより岩に激突して、乗客が落ちてケガをさせてしまった場合などです。

なお、支払われない場合があり、以下のような事故では賠償責任保険が支払われません。

・行事責任者に法律上の賠償責任がない場合

・行事参加者の故意による事故 

・地震、噴火、洪水、津波などの天災による事故 

・戦争、変乱、暴動などによって生じた事故

これらの2つの保険は、ラフティング体験に参加中(活動に参加するため所定の集合地で責任者の管理下に入ったときから、所定の解散地で解散するまでの間)に発生した場合が対象となります。

損保ジャパン賠償責任保険普通保険約款(PDF)

注意点


ラフティングの主催会社によっては、いずれかの保険に加入していない、また極端なケースでは、双方の保険に加入していない会社もあるので注意が必要です。

特に、新規参入した会社は賠償責任保険に未加入であることもあります。新規に業務を始めたラフティング会社には、保険代理店が、取り扱い金額(賠償責任保険の保険料は安いため)も少ないので、支払う金額に対するリスクとリターンが合わないため保険会社が対応してくれにくいとよく聞きます。

個人経営のような会社だと、万一の事故発生時には対応することができないことが多いと予想されます。また、経営者が行方をくらましたケースや某芸能人のように賠償責任を負ったのにも関わらず支払いに対応しないこともあります。

賠償責任保険と比べて、傷害保険は加入しやすい保険であるため、こちらに未加入の会社は少ないですが、但し、ラフティング参加当日に、保険代と言って代金を別途徴収されるケースがたまにあるので、ラフティング参加費用に保険代金が含まれているか確認してください。

保険は事故やケガがなければ不要なものなので、そもそも安全に配慮して楽しむことが必要です。そのためには、安全に関する事項をしっかり守り、ヘルメットやライフジャケットの装備を適切に身に付け、油断がないように自然を十分に楽しんでください。

ラフティング 不安解消のために

ラフティングに限らず、アウトドアスポーツには、リスクはありますが、それを上回る素晴らしさがあります。よい時間を過ごして下さい!